可愛がりたい、溺愛したい。



「うっ…じゃあ起きます」


朝から刺激が強すぎるよ。

身体を起こして、ベッドから降りようとしたら。


「おはよ」


「お、おは……」


"おはよう"って返したかったのにできなかった。


かわりに、チュッとリップ音が鳴ったから。

軽く唇に触れただけなのに、不意打ちだったせいもあるのか、顔がどんどん赤くなっていくのがわかる。



「……真っ赤。
キスしただけなのに」


「ドキドキしすぎて心臓おかしくなりそう……っ」


「僕は帆乃が可愛すぎておかしくなりそう」


そんなこんなで、朝から依生くんのペースにはまってしまい、いつもより少し遅めの時間に家を出た。



学校に向かっている途中にて。

突然、手をギュッと握られて


「ひえっ!?」


「どーかした?」


「えっ、あっ、手……」


「つなぐのいや?」


「い、いやじゃないけど……」


「けど?」

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