可愛がりたい、溺愛したい。
依生くんと釣り合うためには。
「はぁぁぁ……」
ある日のお昼休み。
お昼を食べながら盛大にため息を漏らす。
「帆乃ちゃんどうしたの!
そんなため息ついて!」
机ひとつ挟んで正面に座って一緒にお昼を食べている明日香ちゃんが心配して聞いてきてくれた。
「……うん、ちょっと朝いろいろあって」
「まさか三崎くんが帆乃ちゃんに嫌がることしたとか!?」
「あっ、違うよ違う!
依生くんは悪くないの。ただわたしが悪いっていうか……そもそもわたしって依生くんと全然釣り合ってないなって……」
今朝も、いつもと変わらず依生くんと登校していたんだけど。
今日はお母さんが寝坊したのでお弁当がなくて。
自分で作っている時間もなかったので、駅のコンビニで買うことにした。
買い物をしている間、依生くんは駅の改札の近くで待っていてくれた。
急いで済ませて、依生くんの元に向かうと
「三崎くんを狙う他校の女の子たちがいたってこと?」
「う、うん」