可愛がりたい、溺愛したい。



依生くんも何も気にすることないって言ってくれたけど、1人で勝手に落ち込んで引きずってる状態。



そりゃわたしは地味だし、可愛くないし……。

何より目立つことが嫌いだから、素顔を隠して地味に生活を送っていたけれど…。



わたしが隣にいるせいで、依生くんまでいろいろ言われてしまうのが嫌で。

でも、どうすることもできなくて、ひたすら落ち込む。


「ほんと女の子たちって厄介だよね。
帆乃ちゃんみたいに可愛い子が三崎くんの隣にいてもやっかみはあるし。

それで帆乃ちゃんが傷ついて、素顔隠すようになったら今度は地味なんだから釣り合ってないとか。

都合のいいようにしかとらえないから」



わたしなんかが依生くんの隣にいていいのか自信がなくなる。


他人に少しきつく言われたくらいで、こんな落ち込んでしまう自分の性格が嫌い。



「もういっそのこと、素顔隠すのやめちゃいなよ!メガネとって、その長い前髪もバッサリ切って!制服ももっと着崩してさ!」

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