可愛がりたい、溺愛したい。



なんだか今日はすごく疲れたなぁ。


ボケッと空を見上げながら、ふとあることを思い出した。


あっ、そういえば依生くんお昼から来るんだっけ。

早く会いたいなぁ…なんて。


昨日も会ってるし、毎日話だってするのに、少し会えなかっただけですごく寂しく感じる。



「早く依生くんに会いたいなぁ……」


思わず漏れてしまったひとり言。

でも、今ここには誰もいないから、聞く人もいないからいいやって思っていると。



━━━━━ドンッ……!!!



いきなり、すごい音が聞こえて驚いて、扉のほうへ向かってみると……。



「え……、
なんで依生くんが……きゃっ!」



そこにいたのは、息を切らして、怖い顔をした依生くん。


わたしの姿を見つけると、すぐにガバッと抱きしめてきた。


いきなりのことに何事だろうってパニックになるけど、依生くんの様子が明らかにいつもと違う。

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