可愛がりたい、溺愛したい。



だって、肩で息をしてるし、冬だっていうのに身体が熱くて、少し汗をかいている。



「……はぁ、焦った。
見つかってよかった……」


「え、どうかしたの依生くん?」


「……どうかしたのじゃないでしょ。
なんでそんな可愛い姿してんの……」



ギュウッと抱きしめられる力がいつもより強くて、つぶれちゃうんじゃないかってくらい。



「さっき……教室行った時にいきなり安田が帆乃のこと聞いてきたから。わけ聞いたらいつもと雰囲気違うって言われて。

他のやつらもみんな、帆乃のことかわいいかわいいって騒いでたから」


「あ、なんか今日いろんな人に見られてばっかで…」



「……当たり前じゃん、そんなかわいいんだから。
教室行ってみたら姿見えないから、変な男に連れて行かれたんじゃないかって心配した……」


「さ、探してくれてたの?」


「……バカみたいに必死になって探したし。
もし帆乃が他の男な何かされてたらなんて思うと、嫉妬どころの話じゃないから」

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