可愛がりたい、溺愛したい。
「じゃあ、行ってくるね!」
「……ん。終わったらすぐ連絡して。
僕が来るまで外でちゃダメだから」
「はぁい」
こうして、いざお店の中へ!
表から入っていいと言われているので、扉を開けると、カランコロンっと音が鳴った。
その音に気づいたのか、奥から長身で、短髪の男の人が出てきた。
「いらっしゃいませ。
お決まりでしたら伺いますよ?」
おぉ、すごい営業スマイル。
……って、感心してる場合じゃない!
「あっ、わたしお客じゃなくて、えっと今日からここでバイトすることになってる芦名帆乃です」
自己紹介と同時に、頭をペコッと下げると。
「……あー、そういえば今日から高校生の子が来るって母さんが言ってたな。
芦名さんだっけ?じゃあ案内するから奥入って」
「あ、はい!」
奥に入ると、事務所みたいなところがあって、そのすぐ近くにロッカールームがある。