可愛がりたい、溺愛したい。
「ここのロッカー使ってね。
あ、あと着替えるときは必ずここのカーテン閉めておくことね。
鍵とかなくて申し訳ないけど」
「あっ、わかりました!」
「まあ、ここのロッカー使うのは俺と芦名さんくらいだから」
「そうなんですね」
テキパキ話をしてくれるから、きっと仕事できる人なんだろうなぁ。
パッと見た感じ、落ち着いてるし、わたしより年上かな。
「って、俺全然自己紹介してなかったね。
俺は浅川啓斗。いま大学2年だから歳は芦名さんよりは上かな」
あっ、大学生なんだ。
どうりで大人っぽいわけだ。
優しそうな感じで、一度も染めたことないであろうサラサラの黒髪がよく似合っていて。
さっき一目見ただけで、ぜったいモテるタイプの人だろうなぁなんて思った。
「あ、もしかして女子高生から見たら俺くらいの歳ってもうおじさんとか言われちゃう?」
「そんなことないですよ!」