可愛がりたい、溺愛したい。
「いやー、よかったよかった。
こんなおじさんなんかと一緒とか無理〜なんて言われたらどうしようかと思っちゃったよ」
「えぇ、そんな失礼なこと言えないですよ。
それに、浅川さんはおじさんというより、かっこいいお兄さんって感じがします」
年上だけど、偉そうな感じとかなくて、初対面なのにこうやって話しやすい空気を作ってくれているし。
「おぉー、芦名さん褒めるのうまいね。
おだてても何も出ないよ〜?」
「素直に褒めてるんです!」
「ははっ、そっかそっか。
からかってごめんね。じゃあ、いったん制服に着替えてくれる?
着替えたら表に出てきてね。仕事の内容パーっと説明しちゃうから」
制服を手渡されて、着替えを済ませて、急いで向かおうとしたんだけれど。
憧れていた制服を着てみたはいいけど。
第一の難関が待ち受けていた。
「ね、ネクタイってどうやって結べばいいんだろう…」