可愛がりたい、溺愛したい。
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━━━━放課後。
この悩みを解決すべく、わたしはある場所へと向かい、ある人にこのことを打ち明けた。
「……ということがあったわけで。
最近依生くんの様子がおかしいんです……」
「ほうほう。
まあ、つまり芦名さんは彼氏くんに触れてもらえなくて飽きられたんじゃないかと思ってるってこと?」
「うぅ、そうです……」
向かった場所とは浅川さんのところで。
突然押しかけたにもかかわらず、バイト中だったけれど、話を聞いてくれるということで事務所のほうに通されて。
紅茶をいれてくれて、おまけにお店にあった焼き菓子も出してくれて。
「いやー、それは考えすぎなんじゃないかなー?飽きたなら別れようって言うだろうし」
「言いにくい…とか」
「芦名さんってふだんポジティブなのに、彼氏くんのことになると途端にネガティブになるんだね。
まあ、それだけ彼氏くんのこと好きで仕方ないんだろうけどさー。若いねぇ、青春だねぇ」