可愛がりたい、溺愛したい。
━━━━バタンッ……。
寒いというのを口実に、部屋に上げてもらった。
どうやら、家には依生くんしかいないみたいで、ご両親2人とも残業でまだ帰ってきていないっぽい。
「はい、これ毛布。
これにくるまっとけばあったまるよ」
ベッドにあった毛布を渡してくれて、依生くんはそのままベッドにドサッと座って、マンガを読み始めてしまった。
ほら、やっぱり変だよ。
いつもなら、「毛布なんかより僕が抱きしめるほうがよくない?」とか言って、ギュッてしてくれるのに。
受け取った毛布を身体にくるめて、そのまま依生くんが座る隣にチョコンと座った。
横からジーッと視線を送ってみても。
「……どーかした?」
「う……ううん。なんでもない」
触れるどころか、漫画に夢中でこちらを見ようともしない。