可愛がりたい、溺愛したい。



だから、少しだけがんばってみようと思って。

依生くんの肩に、頭をコツンと乗せてみた。


「眠いの?」


違うのに、そういうことじゃないのに。


「眠くない……よ」


「ふーん、そう」


なんだか素っ気ないような感じがして、
勝手に傷ついた。

まったく触れてもらえないのはとても寂しい。



変なの……。

前までは触れられたら、ドキドキしてもたないから、程々にしてほしいなんて思っていたのに。


いつしか、触れてもらえないと寂しく感じるようなったなんて。


距離はこんなに近いのに、なんだか遠い存在のように感じてしまう。

< 342 / 360 >

この作品をシェア

pagetop