可愛がりたい、溺愛したい。



***


あれから走って家へと帰ったわたしは、部屋に入るなりベッドに倒れてそのまま眠りについてしまった。


目を開けると、真っ暗な状態で何も見えない。


身体をむくっと起こして、ベッドのそばにあるカバンの中から手探りでスマホを探す。


電源ボタンを押すと、画面が明るくなって、その明るさにくらっときた。


目を細めて画面を見ると、2件の通知。


送り主はどちらもお母さんから。


【今日、急なんだけど、お父さんのところに行くことになったから!

もう今向かってるから、今日は帰れないから!】


なんだ……お母さん帰ってこないのか。


ちょうどよかったかもしれない。

今は1人になりたかったし。


そう思ったのもつかの間。

もう1件のメッセージを開いたら


【1人だと心配だから、依生くんに泊まってもらうように頼んでおいたから!2人で仲良くね〜!】


驚いて、目を見開いた。

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