可愛がりたい、溺愛したい。



***


先にお風呂を済ませて、時刻は夜の8時を回って、少し遅めの晩ごはんを2人で食べた。


テーブルひとつ挟んで、正面で黙々と食べている依生くん。


その姿をジーっと見ていると、偶然なのかバッチリ目があった。


「……なんか懐かしいね」


「え?」


「ほんの数ヶ月前までは、こうやって一緒に住んでたのが」


「あ……そう、だね」


そっか。

まだ幼なじみから進展してなかった時、一緒に同居していたんだ。


なんだかすごく前のように感じる。



ここで、会話が切れてしまって、その先につながることはなく。

それからは2人でテレビを見たりしても、何か起こるわけでもなく。


あっという間に寝る時間になってしまった。



依生くんがソファから立ち上がって、リビングの電気を消そうとするけど、わたしはソファから腰を上げない。


「帆乃?寝ないの?」


「……寝ない。
もう少しだけ…、依生くんといたい…の」

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