可愛がりたい、溺愛したい。
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先にお風呂を済ませて、時刻は夜の8時を回って、少し遅めの晩ごはんを2人で食べた。
テーブルひとつ挟んで、正面で黙々と食べている依生くん。
その姿をジーっと見ていると、偶然なのかバッチリ目があった。
「……なんか懐かしいね」
「え?」
「ほんの数ヶ月前までは、こうやって一緒に住んでたのが」
「あ……そう、だね」
そっか。
まだ幼なじみから進展してなかった時、一緒に同居していたんだ。
なんだかすごく前のように感じる。
ここで、会話が切れてしまって、その先につながることはなく。
それからは2人でテレビを見たりしても、何か起こるわけでもなく。
あっという間に寝る時間になってしまった。
依生くんがソファから立ち上がって、リビングの電気を消そうとするけど、わたしはソファから腰を上げない。
「帆乃?寝ないの?」
「……寝ない。
もう少しだけ…、依生くんといたい…の」