可愛がりたい、溺愛したい。
いつもいるはずのお母さんの姿はなくて、家の中はシーンと静まり返っている。
「じゃあ僕着替えてくるから。
帆乃も着替えておいで」
「えっ、ちょっとまって依生くん!
状況がよくわかんないよ!」
依生くんってばふつうにわたしの家に入って、着替えようとするなんて何考えてるの??
すると、依生くんはキョトンとした顔をしながら。
「帆乃ってばとぼけてるの?それとも忘れちゃった?
そんな帆乃も可愛いね」
とぼける?忘れた?
えっ、さっぱりわからないんだけど!
混乱するわたしに依生くんの口から衝撃の事実を知らされる。
「今日から僕と帆乃2人でここに一緒に住むんだよ」
2人で一緒に住む?
えっ、ん??
それっていったいどういうこと……!?
「えっ、な、何それ!わたし聞いてないよ!!」
「帆乃のお母さんはちゃんと説明したって言ってたよ?」