可愛がりたい、溺愛したい。
すると大きな背中がくるりと回って、こちらに向き直った。
「興味なくなるわけないのに。
飽きてもないよ。むしろどんどん夢中になってるのに」
「それなら、なんで最近冷たいの…っ」
泣きそうな声で訴えると、「そんな泣きそうな顔しないで」と言いながら、両頬が大きな手で包み込まれた。
「ただ……帆乃に求めて欲しかったから」
「え……?」
「いつも僕ばっかりが帆乃を求めてばっかだから。たまには帆乃から求めてほしいなーって思って」
「ま、まさかそれでわざと触れなかった……の?」
やっぱり明日香ちゃんの言うとおり、まんまと依生くんの企み通りになってしまった。
「触れてもらえなくて寂しかった?」
フッとイジワルそうに笑って、勝ち誇ったような顔でこちらを見てくる。
「ひ、ひどいよ……っ。
てっきり嫌われたのかと思ったのに…」