可愛がりたい、溺愛したい。



「まさか。
僕が帆乃を嫌うなんてありえないのに」


「……でも、今日他の女の子とどこか行ってたくせに……」


そのこともモヤモヤして引っかかってたんだから。



「あー、あれ見てたの?」

「み、見てた……偶然だけど」


ムッと拗ねた顔で見ると、口元が緩んだまま嬉しそうな顔をしている。



「……もしかして妬いた?」


「っ、」


「べつにあれ告白されただけなのに」


「こ、告白……!?」


今さらっと、とんでもないこと言ってるし…!



「ちゃんと断ったよ。
可愛くて仕方ない彼女がいるんでって。
その子しか興味ないって言っといたから」


どう、満足?っていう顔でこっちを見てくるから、どんな顔をしていいのかわからなくて、依生くんの胸に顔を埋める。



「たまには帆乃がヤキモチ焼いてくれるのもいいね。いつも僕が妬かされてばっかだし?」


「そ、そんなイジワルしないでよ……っ」

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