可愛がりたい、溺愛したい。



最近ますますイジワルさが増してるから、それに振り回されてばかりな気がする。


さらに。


「可愛いすぎるからイジワルしたくなるんだよ」


耳元で、甘い声でささやきながら。



「……帆乃から僕を求めてくれたら、抱きしめてあげるよ?」


またしても、悪いささやきが鼓膜を揺さぶる。


きっと、わたしがお願いしないと依生くんは何もしてくれない。

抱きしめることも、キスも。


自分から求めるなんて、とても恥ずかしい。


だけど、そんな感情をすべて取っ払うように……



「僕が欲しいって言ってごらん」



ストンっと落とすような、

甘くて

危険な誘惑。

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