可愛がりたい、溺愛したい。
「どーかした?さっきから帆乃ボーッとしてる」
「……あっ、まだ寝ぼけてて」
ハッと我にかえる。
いかんいかん、依生くんの顔は小さい頃から見慣れているはずなのに、いつも見とれてしまう。
それくらい、依生くんの顔立ちはとってもかっこいい。
そんなかっこいい依生くんを他の子たちより独占できるのは幼なじみの特権だったり。
けど、その幼なじみっていう立場が、時には不利に働くこともある。
「寝ぼけた帆乃も可愛いね」
軽く笑いながら、わたしの頭をポンポンと撫でる。
依生くんは、きっと……。
ううん、ぜったい。
わたしのことを幼なじみ以上としては見ていない。