可愛がりたい、溺愛したい。
「でもね、一緒に住むのすごくドキドキしちゃって……。不自然さ全開だからどうしようってなってて……」
「ん〜!!!帆乃ちゃん可愛すぎるよっ!!
三崎くんにはもったいない!!」
そんなことないよって言おうとしたら。
「芦名さーん?」
前の扉のほうからわたしの名前を呼ぶ綺麗な女の人の声。
視線を向けてみれば、養護教諭の古川先生がいて、急いでそちらに行くと。
「あなた、今日保健委員の当番忘れてたでしょ?」
「えっ……あっ、今週わたしでしたっけ!?」
「そうよ〜。今週は芦名さんの当番」
わたしは保健委員に入っている。
当番が週ごとに交代制で、今週当番だったことをすっかり忘れていた。
保健委員の仕事はお昼休みと放課後、保健室に来る人たちの手当てをしたり、体調が悪い人の状態を聞いたり。
他にもたくさん仕事はあるけど、メインはそういった仕事。