可愛がりたい、溺愛したい。



「いーおくん」


眠っている依生くんの真横に立って声をかけて、身体を揺する。


すると、ピクッと肩が動いて。



「……ん、ほの……?」


眠そうな声で名前を呼びながら、そのままわたしの腰のあたりに腕を回して抱きついてきた。


「ね、寝ぼけてるの?
みんな見てるよ、恥ずかしいよ……っ!」


「……いーんだよ、見せつけとけば」



どうやら寝ぼけてるわけではなさそう。


「あ、あのね、今週わたし保健委員の当番なの」


「あー、そうなの?じゃあ一緒に帰れない?」


「う、うん。
待たせちゃうの悪いから、先に帰ってて?」


わたしのお腹あたりに埋めていた顔をパッと上げると、少しだけ拗ねた表情をして。


「……帆乃と帰れないのやだ。
ねー、サボればいーじゃん仕事なんて」

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