可愛がりたい、溺愛したい。
保健室の窓からはちょうどグラウンドがよく見えて、野球部やサッカー部、陸上部の人たちの練習風景がよく見える。
今日は誰か来るのかなぁと思いながら、ボーッと過ごしていると入り口の扉がガラガラっと開いた。
早速誰か来たっぽい。
音がしたので入り口のほうをチラッと見てみると。
「あれー、先生いないんですか?」
やって来たのは男の子。
ネクタイの色を見ると青色なので1年生だということがわかる。
運動部でケガした子……ではないかな。
制服着てるし。
だとしたら体調悪いとか?
「あっ、今先生は会議に出ていて。
よかったらわたしが対応します!」
すると、男の子は不思議そうな顔をしながらわたしのほうへと近づいてきて。
「変なの。
俺のほうが後輩なのに先輩が敬語使ってるなんて」
わたしの赤色のリボンを指差して言った。