可愛がりたい、溺愛したい。



わたしの学校は1年生が青色のネクタイとリボン。
2年生が赤色、3年生が緑色だから、その色を見れば学年が区別できる。


「あっ、そうだね。
じゃあ、敬語やめるね」


あらためて男の子の顔をしっかり見てみると、
とても整った顔の持ち主だった。



かっこいいというより、可愛らしい愛嬌のある顔立ち。動物に例えるなら子犬みたいな。



「……なーに、俺の顔すごい凝視しちゃって。
なんかついてる?」


「えっ……あっ、ごめんね!
すごい整った顔してるからつい見とれちゃって」



素直に思ったことを言うと、目をまん丸に見開いて。


「それって天然?それとも計算?」


「えっ?」


「そーゆーこと、あんま男に言わないほうがいいよ。誤解して変なことするやついるから」


「……?」


あまり理解できず、ボケッとしていると。

< 54 / 360 >

この作品をシェア

pagetop