可愛がりたい、溺愛したい。
依生くんの甘さは止まらない。
あれから葉月くんはわたしの保健委員の仕事が終わるまでずーっと保健室にいて。
ようやく仕事が終わって帰ろうとしても、送っていくとか言ってきたり。
もちろん、家まで来られて依生くんと住んでいることがバレてしまうのはまずいので全力で断った。
葉月くんの積極性はかなりすごくて、
相手にしていたら疲れる。
電車に乗って、やっと家に帰ってこれたのは夕方の6時を過ぎていた。
玄関の扉を開けて靴を脱いでいると、タイミングよくリビングから依生くんが出てきた。
「あっ、ただいま」
すると、何も言わずつまらなそうな顔をしながらわたしの腕を引いて。
「……おかえり。
いま帆乃不足で倒れてたところ」
耳元で聞こえる依生くんの声を聞くと、自然と落ち着く。