可愛がりたい、溺愛したい。
そんなこんなで、ひっつき虫の依生くんがくっついたままなんとかご飯の準備を終えて。
時間が過ぎるのはあっという間で、気づけばもう夜の11時。
あれから、ずーっと依生くんはわたしのそばから離れてくれなくて。
しまいには。
「ねー、帆乃。
今日一緒に寝よーか」
とんでもないことを言い出すから、動揺しないわけがない。
「む、無理だよ…!!」
「なんで?昔はよく寝てたじゃん」
今と昔を比べちゃダメだって…!
小さい頃なんて意識することはなくて平気だったけれど、今はそうはいかない。
「昔と今は違う……よ」
依生くんにとっては今も昔もわたしは、ただの幼なじみでしかないだろうけど。
わたしは違うのに……。
その差がなんだか虚しくなった。
「じゃあ、いいよ。
無理やり連れて行っちゃうから」
「……へ!?うわっ、ちょっ!!」