可愛がりたい、溺愛したい。
「もしかしてさー、そいつの前で素顔見せたとか?」
「あっ……うん。たまたま外からサッカーボール飛んできて、それが頭に当たった時にメガネが飛んじゃって、髪も崩れちゃったから……」
どんくさいって言われちゃうかな……とか思っていると、依生くんはギュッと抱きしめる力を強くして。
「……はぁ、だから嫌。
帆乃の素顔他のやつに見せるとろくなことない」
「え……?」
「ケガとか大丈夫だった?
頭は痛くない?」
「う、うん大丈夫…!」
こうやってケガの心配をしてくれるの優しいなぁ。
「……まあ、今回のは不可抗力だから仕方ないか。
でも、そいつは早めに消さないと厄介だね」
あれ、なんか今すごく物騒な言葉が聞こえたような……。
「ねー、今度その子に会わせてよ。
名前はなんていうの、年は?」
「あっ、うん。
名前は桜庭葉月くんで1年生だよ」