可愛がりたい、溺愛したい。
依生くんと葉月くん。



あれから数日が過ぎた。


1週間ずっと保健委員の当番でお昼休みと放課後は保健室にいたんだけど、用もないのに葉月くんがやってくる毎日。



保健室は本来ケガした人とか、体調悪い人が来るんだよって言っても、「俺、帆乃先輩に会えないと死んじゃう病だから」とかわけのわからないことばっかり言って。


そして、ようやく当番の1週間が終わった。


「はぁ……やっと葉月くんから解放された」


1週間のことを思い出して、思わず漏れてしまったひとりごと。


これを聞き逃さなかったのが明日香ちゃん。


今はホームルームが終わってから、1時間目が始まるまでまだだいぶ時間があって、明日香ちゃんが勢いよく身体ごとこちらに振り返って。


「帆乃ちゃんため息ついてる!!
しかも葉月くんって!?」



興味津々で身体を机に乗り出してまで聞いてくる。

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