可愛がりたい、溺愛したい。
そしてジーッと見ながら「へー、かっこいいね」と褒めてくれたので嬉しくなったのもつかの間。
「ただの幼なじみなのに
すごい独占欲ですね。彼氏でもないくせに」
にこっと笑いながら、吐き捨てられた言葉にはだいぶ嫌味が含まれているように聞こえる。
「そっちこそ、僕の帆乃に馴れ馴れしい態度だね。ただの後輩のくせに」
妙に"僕の"が強調されていたような気がする。
「そうですかね。
これくらいふつうですよ」
2人とも顔は笑っているのに、目が笑っていない。
「キミのふつうって僕じゃふつうじゃないから。あんまり帆乃に変なことは教えないでほしいね。
この子すごく純粋だから」
「へー、そうやって帆乃先輩を他の男に近づけないようにしてるんですね。
可愛い素顔はぜんぶ自分1人が独占したいってやつですか?」