可愛がりたい、溺愛したい。
「……ねー、ちゃんと教えてよ」
ここで否定したって無駄だって思ったから首を縦に振った。
「それは妬いたって認めるってことでいーの?」
わかりきってるのにこうやって聞いてくるのが、あざとい。
だけど、そのあざとさにかなわないわたしは再び首をゆっくり縦に振る。
すると、口角をクイッと上げて笑いながら。
「……僕のことでいっぱいになった?」
嬉しそうな声トーンでそんなことを聞いてくる。
「わかってるくせに……。
ずるいよ、あざといよ」
「なんとでも言ってくれていーよ」
言わせたもん勝ち。
余裕そうな表情はイジワルさを持ったまま崩れそうにない。
そしてわたしの頬にそっと触れながら。
「僕が帆乃じゃなきゃダメなように
帆乃も僕じゃなきゃダメだって求めてよ」
またそうやって、幼なじみには言わないことを簡単に口にしてくる。