青い空の下
手元がくるって進の方に左の手袋が行ってしまった。
「暖かそうじゃん!借りるよ」
「はぁ!?右しかつかえないじゃん!」
「まぁ!いんだよ」
「チェッッ」
もう少しまともな言い方ないのかっと酷く後悔する。
「さんきゅー」
「あったけー」
この一言一言でもいい。
私はそれだけで幸せなんだから。
私の右には自分の手袋。左にはない。
進が持ってるからね。
昨日までつらかった思い出が少しずつ解消されていくような感じがした。
でもそう想うのは今だけ。
小さな嬉しい事でもいい。