私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『どーってことないですよ、どんどん映しちゃて下さい!』


夏希が、思いっきり笑って言った。


夏希らしい。


『あのねぇ、夏希。他人事だと思って』


この密着番組、本当に人気番組だし、すごくたくさんの人の目に触れるの…やっぱり嫌だよ。


『森咲は、コピーのセンスがあります。笑顔も…どうぞ、紹介してやって下さい。お願いします』


朋也さんが、ディレクターさんにそう言った。


『了解です。じゃあ、そうさせて頂きます』


えー!!


私、OKしてないよ。


朋也さん、夏希、一弥先輩まで、みんな意地悪そうに笑ってる。


『恭香ちゃん、もう、観念しなきゃね。放送が楽しみだね』


『一弥先輩…私、本当に自信ないんです。テレビ画面に私の顔が映るの想像しただけで…』


『恭香ちゃんは可愛いよ…自信持って』


その言葉と一緒に、一弥先輩の右手が私の頭の上に…


優しい笑顔で、頭を撫でてくれたんだ。
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