私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
会社に戻って、俺は一弥君に声をかけた。


『一弥君、ちょっといいかな』


『何?本宮君』


『仕事中悪い。今度の下見だけど…森咲も一緒に…いいか?』


『…え…恭香ちゃんを誘うの?』


『ああ、みんなには内緒で』


『僕は…嬉しいけど』


一弥君は、あまり驚かなかった。


俺は、3人でいることで、恭香の気持ちがハッキリするんじゃないかと…


そう思ったんだ。


笑顔の奥に隠した悩み。


恭香の苦しむ顔、見たくないから。


それで、もし俺がフラレたら、恭香の気持ちを受け止めなければならない…


わかってるつもりだ…


でも、俺は…


やっぱり、恭香を絶対に失いたくない。


ずっとそばにいたい…


だから…


一弥君には負けたくない。


もし、恭香が、一弥君を選んだら…


俺にとって、これ以上つらいことは無いだろう。


そんな気持ちを女性に対して抱いたのは、生まれて初めてだった。


それなりに付き合った女性はいたが、本当は、恋愛なんてめんどくさいって、ずっと思って生きて来たから。
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