私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
一瞬、時が止まった。


そのあと、手が震えて…


体も震えて来た。


朋也さんの顔が、思い出される。


私は、ただ、朋也さんに会いたくて、取るものも取り敢えず、急いで家を出た。


冷静にならないといけない。


駅まで行けば、タクシーがある。


大丈夫、朋也さんは大丈夫。


死ぬわけないよ。


死ぬなんて、ありえない…


朋也さんが死んじゃうなんて、絶対無いよ。


一生懸命走った。


無我夢中で。


タクシーがすぐに捕まった。


飛び乗って、私は病院の名前を運転手さんに伝えた。


道路が空いていたのが幸いした。


救急の入口から入り、警備員さんに聞くと、朋也さんは手術中だと教えてくれた。


手術室の前に着くと、看護師さんが来て、


『奥さんですか?』


と聞かれた。


『いえ…友人です。御家族に連絡したいのですが、連絡先がわからなくて』


いろいろ方法があったかも知れないけど、頭が回らなかった…
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