私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『ありがとうございました…』


私達は、先生に深々と頭を下げた。


顔を上げたと同時に、私はたまらず床に座り込んだ。


『大丈夫?!恭香ちゃん』


一弥先輩が、私を抱きかかえてくれた。


『一弥先輩…朋也さん、大丈夫ですよね』


もう、私、一弥先輩の前でも、朋也さんって呼んでた。


『ああ、きっと大丈夫だよ。意識が戻って、また元気な本宮君に会えるよ。先生が無事に終わりましたって…言ってくれたの、信じよう』


私は、大きくうなづいた。


私達は、集中治療室に入った朋也さんが、目覚めるのを待った。


ガラス越しに、朋也さんが見える…


人工呼吸器をつけて…


ずっと目を閉じて、動かない。


『お願い、目を開けて…』


祈るような気持ちだった。


一弥先輩が、交代で眠りながら待とうって、言ってくれたけど…


でも、2人ともほとんど眠れなかった。


朋也さんは、ずっと目を覚まさない。


そのまま、朝になってた。


『恭香ちゃん、これ、飲んで』


一弥先輩が、温かいコーヒーを買ってくれた。
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