私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『そんな大変な時に、何で電話なんて…』


朋也さん…少し黙った。


『…声が聞きたかった。最後かも知れないって…思ったから…』


『そんな…』


『声が聞けたから、安心して…そのまま気を失ったんだな』


朋也さんが微笑む。


『何だか…僕は邪魔みたいだね』


一弥先輩が、笑いながら言った。


『…一弥君、いろいろありがとう。本当に感謝してる』


『だから、いいって、そんなこと。恭香ちゃん、すごく心配してたから。ちゃんと…優しくしてやって』


一弥先輩は、そう言って、部屋を出て行った。


一弥先輩、ごめんなさい…


私は朋也さんの横に座りながら、朋也さんの手を握った。


しばらくずっと握ってた…


その手が温かくて、心から朋也さんが生きてるって感じることが出来た。


しばらくして、警察が来た。


朋也さんに話を聞いている。


防犯カメラの解析も終わり、衝撃的なことがわかった。


朋也さんを襲った犯人、それは…


菜々子先輩のお兄さん…だった。
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