私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
アートディレクターの石川さん、チームの責任者だから仕方ないけど…


成果を追いすぎて、スタッフを困惑させるタイプで…


『頼むよ、この前も君は…』


石川さんの愚痴、絶対長くなるよ…


聞きたくないな…


『石川ディレクター、すみません。森咲さんには俺が用事を頼んでしまったんです』


突然、本宮さんが会話に入って来た。


『そ、そうなんだね。わかった』


石川さんは、そう言われて頭を掻きながら部屋を出て行った。


『ありがとうございます…本宮さん。すみません…』


私は、頭を下げた。


『朋也でいい』


『え…?』


『だから、本宮さんじゃなくて、朋也でいいって言ったんだ』


え、えっ?


下の名前を呼び捨てにしろと?


『あの、でも…本宮さんは先輩だし、それに…』


私は、戸惑った。


『俺が社長の息子だってことは、一切考えなくていい。恭香には、朋也って呼んで欲しいんだ』


ドキッとした…


心臓が、小さな音を立てる。
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