私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『おはよう、恭香(きょうか)』


私を呼ぶ声に振り向いたら、親友の夏希がそこにいた。


『今から仕事だって言うのに、どした?なんか暗くない?』


そりゃそうだよ…


失恋ホヤホヤの可哀想な女がここにいるんだから。


『あ~夏希、ごめん。今日は…元気出ないかも』


ひきつりながら笑う私に、


『さては…一弥先輩に嫌われたかぁ?』


今、その冗談はキツイ。


好かれもしない、嫌われもしない、そう、先輩は興味がないんだから、私に。


あんな場面見たんだから、ちゃんと諦めなきゃって思う…


思うけど…


ううん、諦められないんじゃない…


忘れられないんだ…


だって、同じ職場、同じフロア、同じチームで働いてるんだから。


毎日、顔を合わすんだよ。


すぐに忘れるなんて…


絶対、無理だよ…


『あ、一弥先輩おはようございます』


夏希が、ドアの方を見て言った。


『おはよう、恭香ちゃん、夏希ちゃん』
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