私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『とにかく、今日は食べたら帰ります。コピーも考えたいですし』


『仕事熱心なんだ』


『今日、なんか集中出来なかったんで』


あなたのせいでもあるんだから…


『明日…本当に行くから』


『そんなこと言われても…』


『行くよ、恭香が嫌だって言っても』


めちゃくちゃだよ。


だけど…


よくわからない、全然わかんないけど…


私…


絶対嫌だって…言えなくなってた。


『部屋、汚いですから…』


『そんなこと、気にしなくていい』


本宮さんは、目の前のパスタを食べ始めた。


私も…グラタンに手を伸ばした。


ちょっと気まずい。


少し冷めていて、味もよくわからなくて、食べた気がしなかった。


会話もほとんど無いまま食事を終えて、私達は店を出た。


本宮さんが、タクシーを拾ってくれ、


『駅まで』


って、私だけを乗せてくれた。


本宮さんの香水が、別れ際に優しく香った。


ちょっと…


ドキドキしてる自分。


私、変かな…
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