私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『困ってる?』


あ、この香り…


私の顔を覗き込んだのは、本宮さんだった。


急にびっくりしちゃう…ほんと、神出鬼没な人だ。


『ただいま』


本宮さんが、私の耳元でささやいた。


『お、お疲れ様です…あの…』


もっと近づこうとする本宮さん。


椅子に座ったまま、私は、サッと顔を遠ざけた。


だから…


近いんだって…


自信のない顔、見ないでよ。


私、またドキドキしてる…


『会議お疲れ様です、本宮先輩』


梨花ちゃんが、元気に言った。


『ただいま、天野さん』


『森咲、ちょっといい?』


『えー、また恭香先輩だけですかぁ?梨花も誘ってくださいよ~』


梨花ちゃん、積極的。


『ごめん、ちょっと大人の話』


『大人の話って!なんか、先輩達、いやらしい感じです』


梨花ちゃんは、ほっぺを軽く膨らませた。


『ちょっと止めて。そんなんじゃないから』
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