私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
梨花ちゃんに『ごめんね』と言うと、本宮さんは私をエレベーターに乗せ、最上階のボタンを押した。


最上階って、社長室しかないんだけど…


まさか…


『あの…本宮さん』


『いつになったら、呼び捨てで呼んでくれるんだ?』


腕組みをしたスーツ姿の本宮さんと、エレベーターの中に二人きり。


最上階まで、ずいぶん長い。


『だから…呼び捨ては…』


違う階から、誰かが乗り込んで来た。


良かった…


二人きりなんて、緊張しちゃうよ…


エレベーターは、とうとう最上階に到着した。


止まって、そして…ゆっくりと開いた。


呼吸が、少し苦しい。


本宮さんが、私を案内した先は…


やっぱり、社長室だった。


初めて来たよ…


窓から見える景色は、街全体を見渡せる大パノラマだ。


本宮さんがドアをノックすると、中から『はい』と返事があった。


ドアを開けて中に入った本宮さんは、ジェスチャーで私を呼んだ。
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