私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『…朋也。お前はいつも勝手なことばかり言うな』


社長は、少し怒ってる。


そりゃそうだよ、こんな平社員の私の部屋に住むなんて…


『仕事はキチンとやります。カメラマンとしても、もっと成長したいですから。でも…将来のことも、今の環境から少し抜け出して、冷静にいろいろ考えたいと』


本宮さんは、真剣に話した。


『…森咲さんの気持ちは?』


『…あの…私は…』


そんなこと聞かれても、どう答えたらいいのかわからなかった。


『社長、とにかく、家は出ます。もちろん、本宮の一人息子である以上、責任は果たしたいと…思います。少し時間を下さい』


『お前は昔からそうだからな。一度言い出したら聞かない。責任を果たすと言うことがどういうことか、少しはわかっているようで、それは安心したよ』


『父さんのこと、ずっと尊敬してますから。でも、まだそれは…先のことだと…』


責任…って、やっぱりこの会社のあとを継ぐってことだよね?


いつか、本宮さんは、文映堂の社長になるんだ…
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