私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『森咲さん。こんな、ワガママな息子ですが、朋也はうちの会社には無くてはならない存在です。しばらく迷惑をかけますが、どうか、よろしくお願いします』


うわぁ~


本当に、本当に、嘘でしょ~?!


文映堂の将来の社長を、しばらくの間、うちで面倒見てってこと?


しかも…


結婚とかいうワードも出て来たし。


もう、ダメだ。


本当に私、思考回路停止だわ。


訳がわからないまま、とにかく私達は、エレベーターで下に降りた。


二人とも沈黙。


何をどう理解すればいいか…


頭が回らないよ。


ミーティングルームのある階まで戻って来た時には、立ち入っては行けない場所から、安全地帯に戻って来たような変な安心感に包まれた。


『恭香…とにかく、今日から頼む。帰り、一緒に帰ろう』


一緒に帰る…?


その時、私は、昨日一緒に帰った一弥先輩と菜々子先輩の後ろ姿を思い出した…


私は、一弥先輩じゃない人と自分の家に帰るんだ…


確かに、全然、まだ信じられないけど…


だけど…


社長からも直々に頼まれたんだもんね…


もう逃げられないか…って、ちょっと観念した。
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