私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
とにかく、もう、それからはずっと顔を上げられなかった。


だんだん顔も体も熱くなって来た…


次の駅まで、3分くらい。


そしたら、少しだけ降りる人がいるはず。


早く離れないと、私の心臓の音が本宮さんに伝わってしまうよ…


ううん、もしかしたら、もう伝わってるかも。


何で…?


どうしてこんなにドキドキするの?


私は、一弥先輩が好きなんだよ…


本宮さんにドキドキするなんて、おかしいよ。


だけど…


今、こんな風にくっついてるのが、一弥先輩だとしたら…


きっと、とっくに心臓が破裂してるはずだ。


本宮さんだから…


だから、まだ耐えれてるんだ。


うん、きっとそう。


それでも、なぜか、本宮さんの優しい香りと、背中にある手の温もりが、何とも言えず私をキュンとさせる。


本宮さんは、黙ったまま。


満員電車だから、仕方ないけど…


あっ、駅についた。


ドアが開いて…


ほんの少しだけ乗客が降りた。
< 49 / 235 >

この作品をシェア

pagetop