私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
お風呂のお湯が沸いて、本宮さんに先に入ってもらった。


そんなに長風呂じゃないのか、わりと早めに出て来た。


『えー!!』


上半身裸で、下はパジャマ姿の本宮さんを見て、思わず声をあげてしまった。


『あ、あの、ちょっと困ります、裸は』


『裸じゃない。そんなこと気にするな』


本宮さんは、濡れた髪をバスタオルで拭きながらそう言った。


気にするなって言われても、気にするでしょ、普通。


細身なのに、引き締まった体つき…


ジムで鍛えてるの?


本当に…目のやり場に困るよ。


『あ、あの、ビールとか飲みますか?』


『恭香は?』


『え?』


『恭香が飲むなら飲む。飲まないなら、お茶か水でいい』


私に合わせてくれるの?


『…私は、全く飲まないので』


『それなら、俺もいい…もしかして、わざわざビール買ってくれてた?』


だから…まだ裸だから…


早く何か着て…


『全然大丈夫です。昨日、コンビニに行ったついでに買ったんで、気にしないで下さい。いつか、父が来たら飲むと思うので』
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