私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『せっかく買ってくれたんだろ。じゃあ、もらう』


私は、うなづいた。


リビングのローテーブルに両手をついて立ち上がって、冷蔵庫に向かった。


ビールを出して、グラスに移そうとしたら、


『いい、そのままで』


そう言われ、私は、缶のままよく冷えたビールを本宮さんに手渡した。


『いただきます』


プルトップを開けて、本宮さんは美味しそうにゴクゴク飲んだ。


さっき帰りにスーパーで買ったお弁当を温め、2人で食べた。


いつもは1人なのに、今日は2人。


しかも…恋愛映画やドラマで主演をはれそうなくらいのイケメンが…


すぐ目の前にいるんだ…


本宮さんは、ようやく、上の服も来てくれた。


でも、お風呂上がりの男性に冷えたビールを手渡しする感じって…


これって…まるで夫婦みたいなやり取りだよね…


お父さんとお母さんがいつもしてた。


『じゃあ、私もお風呂入って来ます…あの…スッピンになりますけど…引かないで下さいね』


そう、これが一番嫌だった。
< 55 / 235 >

この作品をシェア

pagetop