私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『こっちに来て』


え…


すごく甘い声…


私の好きな雰囲気の声だ。


何だかドキドキして、本宮さんが呼んでくれてるのに、私はその場で立ったまま動けなくなった。


そんな私を見かねて、


『だから、気にするなって言ってるだろ』


そう言って立ち上がり、私の方に向かって来た。


待って、来ないで…


そして、すぐ目の前に来た時、私のあごを指で優しく上に押し上げた。


これって…


可愛い女の子が、かっこいい男子にしてもらえるやつじゃないの?


だったら、これは…


私が相手じゃダメなんじゃない?


自然に顔が本宮さんと向き合う…


じっと見つめる本宮さん。


私は、その美しい瞳に見とれてしまった…


スーッと奥まで吸い込まれそう…


数秒の沈黙の後、


『可愛い…よ』


って、本宮さんの嘘みたいなセリフ。
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