私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
朝になって恭香が目覚めた時、まだ少しボーッとしているようだった。


『おはよう』


『…朋也さん?』


『ああ、俺だ。気分はどうだ…?どこか痛いところは無いか?』


恭香は、一瞬、考えたようだったが…


昨夜のことをハッキリ思い出したみたいだ。


あんな出来事、本当は、思い出させたくはなかったが…


仕方ない…


『朋也さん…昨日はありがとうございました』


そう言いながら、恭香はゆっくりと起き上がった。


『本当に大丈夫か?』


『はい…大丈夫です。朋也さん、心配かけてごめんなさい。本当に…ごめんなさい。私が…不用心でした』


俺は…


意気消沈する恭香を見て、思わず抱きしめてしまった。


恭香は、俺を突き放さなかった。


むしろ、俺にしがみつく感じだった。


それほどの恐怖だったんだろう…


『朋也さんが来てくれなかったら私…』
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