私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
少し涙声だ。


『安心しろ。あいつは、もう会社には来ない。二度と恭香に近づくなと言ったから…』


『…ありがとうございます…でも、今の仕事は…?アートディレクターがいなかったら、どうなるんですか…?』


『恭香には悪いが、昨日、証拠の写真を撮った。それを警察に見せれば、あいつをすぐに逮捕することが出来る。でも、もし裁判になったら、恭香を傷つけることになるかも知れない。その判断は俺には…出来ない』


俺は、恭香の気持ちが一番大事だった。


『あと、仕事の方は何とでもなる。それは、心配するな。俺に任せろ』


つらい選択させて…


すまない…


『私、訴えます。自分のためじゃありません。石川さん自身のために…御家族には…本当に申し訳ないですけど…二度と繰り返さないために…でも、会社にも迷惑かけてしまいますね、すみません…』


『そうか、わかった…何も心配するな。今日は警察に行こう。会社は休め』


恭香が決めたなら、それでいい。


会社のことも考えてくれるんだな、恭香は。


あんな目にあっても、石川の家族のことまで…
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