私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
私達は、一弥先輩に手を振って別れた。


電車もラッシュは超えて、少し空いている。


『今日は遅くなったから、スーパー閉まってますね。晩御飯どうしますか?』


『今日は…カップラーメンにしよう』


『え?カップラーメンなんて食べるんですか?』


『俺を何だと思ってるんだ?嶋津君にしても、恭香にしても』


2人で、ちょっと笑った。


『毎日、お抱えシェフが作る高級料理みたいな…イメージですね』


『母さんが居なかったから、お手伝いさんがいろいろ作ってくれたけど、普通の食事だ。たまに…確かにシェフを呼んだりすることもあったけどな。誕生日とか、お祝いごとがあった時とか』


え…


お母さんが居ない?


そうだったんだ…


知らなかった。


亡くなったのか、離婚なのか…


『お母さん…居ない…んですか?』


デリカシーのない質問だった。


『子どもの頃にね、病気で』


『ごめんなさい…』
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