ナマイキ男子
「ねぇ、俺ん家で勉強すりゃいいじゃん」
「なんで!!?」
正気の沙汰じゃないというような目を向けてくる。
「ってか、近い近い近い。退いてよ」
校舎内で話すとあまりにも先輩が嫌がるので人気のないところに連れ込んで、壁ドンしてみた。
「今日のパンツ何色ー?確かめていい?」
「だ、だめっ」
「……」
「顔赤いけど?」
「やべぇ…」
なに、だめって。かわいいんだけど。超かわいいんだけど。
強がって照れるの最強なんだけど。
「先輩」
「な、なに。てか早く退いてってば」
「好きになっちった」
「………………………」
「好きになっちった」
「………は」
好きになっちた。
「意味が分からない意味がわからない」
「好き」
「いや、黙って?てか退いて?」
「俺のこと好き?」
「好きじゃない。むしろ嫌い」
「なんで?」
「な、なんでも!」
好きと自覚したら好きが止まらないし、全部が欲しい。