ナマイキ男子
目つきが悪いところとか長女にそっくり。
ただ、ふわふわのくせ毛はちょっとだけかわいらしい。
このままこの場にいても気まずいので、年上で常識がある且冷静な私が立ち上げることにした。
「あ、待って」
「……」
「この位置、パンツ見えそうで見えなくてエロい」
「……」
「あ、でも、見えたらエロスゼロだな」
憎たらしいくらいかわいい笑顔で笑う新人類の頭を思いっきりひっぱたいた。
「いって」
「こんのエロ魔王大臣」
「なにそれ、褒めてんの」
「……」
グッバイ、冷静。
この新人類といたら、冷静でいられない。
ぶっとんだ兄姉たちを相手にして慣れているはずの私が冷静でいられない。
私はなにも言わずにその場から去った。
帰り際に、
「俺は黒が好き」
と聞こえて、扉に八つ当たりせずにはいられなかった。